お疲れ様です。教科書の正岡子規は落書きするより消しゴムで消滅させる派テンナインです。
この記事ではこれまで私が読んで、自分の価値観に影響を及ぼしたと思う本について紹介しています。
「これ知らなかった」、「少し興味が沸いた」という本があったならうれしいですw
随時追加しており、現在は3冊を紹介しています。
これらの本によってどんな価値観を私が持っているのかについては、以下の記事にまとめてあります。
それでは紹介に入っていきましょう!
統計学が最強の学問である
現実世界って、1+1=2にはならなくありませんか?
ある人がある行動をして、とても成功したとします。1+1が3にも10にもなりました。
しかし別の人が同じことをしても、必ず同じように成功するとは限りません。1+1が0.1とか、マイナスになることもあるでしょう。
世の中には様々な「こうしたほうがいい」「こうすべき」が溢れています。しかしそれがどれだけ信憑性のあるものか、私はよく根拠もなく疑っていました。
こういう現実的なものの捉え方を本書は教えてくれました。
「1+1はだいたい2だけど、〇〇~〇〇くらいの値もこれくらいの確率で取るよ」
これが統計学の考え方です。
この本が教えてくれたこと
統計学の考え方を知ることで、情報や数字に振り回されることが減りました。
「そんなに数字で悩むようなことってある?」と思われるかもしれません。
あります! 溢れすぎています!
やれ「これをしたら寿命が〇歳伸びます」だの
「希少な〇〇が〇〇mg含まれているからこのお値段でもお得なんです!」だの……
「累計1千万レビューを誇る大傑作!」
「視聴回数1億PVを誇る〇〇界の専門家!」
ジャーナリスト、伊藤惇夫さんの有名な言葉にこんなものがあります。
数字は嘘をつかないが、嘘つきは数字を使う
伊藤惇夫
これら数字を全部漠然と受け止めていたら、もはや何が正しいとか、どれがすごいのかわからなくなり、自分で何かを判断する力が失われていくように思います。
そこに統計学は、『この程度には信じられそう』、『この範囲までなら正しそう』という判断方法を与えてくれました。
ほんのちょっとだけ突っ込んだ書き方をしますと
- そのプロセスはどれくらいランダムに行われたのか
- 何回やってみて出た結果なのか
大まかにはこの2点で、その情報の持つ信頼性をある程度評価できると統計学は言います。
本書が統計学の入門書として抜群に優れている2つの理由
理由1つ目、非常に的が絞られていること。
本書から得られる統計の専門知識は、片手で足りるくらいしかないと思います。
でもだからこそ、ひとつひとつを非常に丁寧に伝えていて、ゼロから学ぶには最適です。
理由2つ目は、シリーズになっており、段階的に学んでいけることです。
シリーズ最初の本作を読んで、次に「実践編」「ビジネス編」「数学編」と、試し読みで「あ、わかりそう」と思ったら読んでみるといいと思います。
私はこのあと『1億人のための統計解析 「エクセル」を最強の武器にする』を読んで、たまに仕事にも役立てています。
やはり身近なツールで実践的に教えてくれるのが良いですね。
ちょっと派生的なお話も
将来、インターネットやコンピュータを使った製品が大半を占めるようになり、そこには高い確率でAI技術が使われると言われています。
現在のAI技術は統計学で動いています。
それを最もわかりやすく書かれているのが『AI vs 教科書の読めない子供たち』です。
AI事情が私の価値観に影響を与えていないので、本記事にはエントリーしていませんが、こちらも併せて読むと、統計学の威力というのがより理解できるかと思います。
小さな習慣
何をやっても続かない人。そんな自分が許せないという人には、特に読んでほしい1冊です。
私も自分の継続性のなさ、根気のなさ、三日坊主気質が昔から嫌いでした。
- 夏休みの宿題は最終日にひいひい言いながら片付けるのが毎年恒例だった
- 毎日1時間の家庭学習なんて習慣は身につけたことがなく、テストは基本一夜漬け
- 自分で立てた計画は、3日もたたずに挫折してばかり
- 反省するけど変われない
そんなダメダメな私に、本書は強烈な右ストレートならぬ、絶対必中の足払いをかけてきたのです。
視点がたかーい! ひとつひとつの目標をバカバカしいくらいにまで下げろ―――!
例えばこういったブログなら、1日の目標は1行書くことでいい。筋トレなら腕立て1回など。
とにかく達成感で己を満たせと本書は伝えます。そうやって習慣になっていくんだと。
この本を読んで、続かなかったことがちょっとずつ続くようになりました
もちろん途絶えることはあります。1日やるのを忘れたとか、つい他の誘惑に負けてサボってしまったとか。
そこでも本書は背中を叩いてくれます。
またいつでも始めればいい。
本当にやめると自分が決心しなければ、立ち止まってしまった時間がどれだけあってもそれは継続していることになるんだと。
成功するまで続ければ、そこに失敗はない。
正直、習慣化に関する本はいっぱいあって、だいたい似たようなことが書いてありますw
本書は私が初めて手にとった最初の習慣本ということで、比較的印象に残っている感はあります。
しかし本書も『統計学が最強の学問である』と同様、伝えたい要点が非常に絞られていて、悩まず実践する気になれるのが優れた本と思います。
アメリカ人特有というのか、日本人にはあまりない軽妙な語り口も、読みやすさを助けています。
やりたいことが続かなくて悩んでいる方、それは気質ではなくて単にやり方がまずいだけなのかもしれません。
フラニーとズーイ

がっつり文学! 紹介しておいてなんですが、万人にウケる作品とは思っていませんw
しかし教養本とかハウツー本と呼ばれるものは、言葉にできる知識しか教えてくれません。
文学とは、数万の言葉をつなげて、言葉にならないものを伝えているものだと思っています。
だからこの本から私が得たものも抽象的です。そのことを踏まえ、誤解を招くこと前提でそれを言葉にすると、宗教との上手なつきあい方になります。
本作のあらすじは、前半がフラニーという少女の物語。後半はフラニーの兄、ズーイの話です。
フラニーは世の中のほとんどが“本物じゃない”、インチキのように感じて仕方がありませんでした。
本当のキリストの信仰を実践したい。『巡礼の道』という本を抱え、そのことをボーイフレンドに相談するのですが、彼の方は全然彼女の言ってる意味がわからない。
フラニーはボーイフレンドも本物じゃない、インチキな人間に思えて、ついには部屋に引きこもって寝込んでしまいます。
そんな妹を、兄のズーイはあの手この手でなんとか立ち直らせようとする。それだけの話です。
ズーイの語り口はときに滑稽で、内容は皮肉に富み、フラニーも鬱陶しくなって一度はズーイを部屋から追い出したほど。まあ下の子をからかうのが兄や姉というものですがw
それでも彼の言葉の深いところには、家族へのゆるぎない愛情が宿っていて、終盤フラニーの説得に成功していくあたりのくだりは、キリスト教徒でない私にも、キリスト教の唱える愛ってそういうことなのかと腑に落ちるものでした。
このあと実際キリスト教家系の嫁さんと一緒になって、さらに宗教が身近になり、いろいろ学ぶなかで仏教の考え方が自分の肌にしっくり合うことを知れました。
宗教を信じる=どこかの怪しげな組織に属することだと偏見丸出しの私でしたが、宗教は個人単位で扱えば、これほど自分の価値観に芯を通してくれるものもありません。
そのへんは別記事にもまとめてしますので、併せて参考になれば幸いです。
おわりに
カラダやスキルのように、価値観も育てるものだという認識を持つようになりました。
価値観は人それぞれ。合う合わないはあるでしょうが、触れてみなければそれもわかりません。
私も含め、これからも今まで知らなかったことを知ることがまず大切。
それから実際に触れてみて、何かしら自分の肥やしにする。
それを繰り返していれば、やがては縄文杉のように、外側の何物にも動じない太い価値観の幹が育ってくれるでしょう。
私のはまだまだ猫じゃらしが良いとこではありますが、そんな知識や経験でも、誰かの価値観のちょっとした栄養になれればなと思います。ではではノシ