
ストレングスファインダーってどう使えばいいの? という疑問に、多くの人が直面するようです。
- ストレングスファインダーやってみたけれど、何かがよくなった気がしない
- 診断結果を見て「めっちゃ当たってる!」と驚いて終わった・・・・・・
- 使い方がイメージできなくて、診断するのをためらっている
こういった悩みに、ネットでは「コーチングしますよ」というサービスがけっこう見つかります。
でもコーチング料がだいたい数万〜数十万円かかるみたいなんですよね……。
そこで本記事では、ストレングスファインダー結果の自己分析方法について解説します。
この記事はストレングスファインダーというものの知識があること前提で書いております。
「ストレングスファインダーって何?」という方は、まず以下リンクの記事をご参照ください。
【考え方の土台の理解】まずはストレングスファインダーのコンセプトを再確認しよう

ストレングスファインダーの診断結果を分析するうえで、まず知っておかないと点がストレングスファインダーは強みを教えているわけじゃないということです。
書籍内の説明にも、「ストレングス(強さ)という名前のせいで誤解されやすくなったが、ストレングスファインダーが教えるのはあくまで才能・資質」とありました。
ただ「才能・資質」という言葉も、まだちょっと意味が遠いと思っています。
個人的にはなるとしさんが表現された「ストレングスファインダーは、自分の心のクセを知るツール」というのが1番しっくりきました。
ただの心のクセでしかないからこそ、強い弱い、良い悪いを決めるのは自分自身なのです。
資質に【正しい投資】をして初めて【強み】に変わる
公式本には以下の数式が掲載されています。
才能(頻繁に繰り返す思考、感情、行動パターン)
出典『さあ、才能に目覚めよう 新版ストレングス・ファインダー 2.0』/ トム・ラス
✖
投資(練習やスキル開発、知識を身に付けるためにかける時間)
=強み(常に完璧に近い成果を生み出す能力)
心のクセを理解することで自分の心の「好き」を知り、自分の心が好む経験をどんどん積み重ねることで強みへと昇華する。
ここまでしてようやく本当のストレングスファインダー=「強みの発見」となるのです。
【情報収集と資質の断捨離】資質ごとの理解を深めよう

ストレングスファインダーへの理解を深めていただいたところで、いよいよ診断結果の読み方、活かし方について解説します。
上位5資質のみ診断された方は、以下リンク先から始めてください。
上位5資質だけ診断した人用のトピックまでジャンプ!
この章では、まず自分に向かない下位資質を捨てることについて詳しく解説します。
4つの領域のバランスを見る
ストレングスファインダーでは、人間の資質(心のクセ)を34のタイプにわけています。そしてこの34資質には、それぞれ4つの領域が与えられています。
まずは大まかな自分のタイプを自覚しましょう。
各領域の解説は以下の通り。
領域 | 内容 | 対象資質 |
実行力 | 物事を成し遂げるのに役立つ資質 | アレンジ、目標志向、信念、規律性、公平性、責任感、回復志向、達成欲、慎重さ |
影響力 | 主導権を握り、はっきり意見を表面したり、他人に耳を傾けさせるのに役立つ資質 | コミュニケーション、社交性、指令性、競争性、最上志向、自己確信、活発性、自我 |
人間関係構築力 | チームを団結させる強力な人間関係を構築するのに役立つ資質 | ポジティブ、親密性、個別化、調和性、共感性、運命思考、包含、適応性、成長促進 |
戦略的思考力 | 情報を取り入れ分析し、より適切な判断を下すのに役立つ資質 | 内省、学習欲、分析思考、戦略性、原点思考、未来志向、収集心、着想 |
ストレングスファインダー全34資質のレポートを見ると、下記のような図解があります。自身の資質が4つの領域に対してどう偏っているかパッと見でわかるので便利です。

私の場合、人間関係構築力、戦略的思考力に思いっきり偏っているのがまるわかりですねw
ここで注目すべきは、自分にとって対応する資質が少ない領域の方になります。
- 実行力が低いなら、意思ではなく仕組みで行動する方法を考える
- 影響力が低いなら、自分の言葉や行動だけで人を惹きつけようとしない
- 人間関係構築力が低いなら、無理に周囲と合わせない方がいい
- 戦略的思考力が低いなら、小さく始めて失敗してもダメージの少ない行動にする
こんな感じで、4つの領域のバランスを自覚するだけでも、だいぶ無駄な努力を省けます。
あなたに特化した資質解説【ストレングスインサイト】を読む
上位資質は、お互いに影響を及ぼし合います。
どういうことかというと、他の上位資質が違うなら、同じ上位資質でも意味の取り方がちょっと変わるのです。

そんなんわかるかー!
思わずアメリカまで本を投げ返してやろうかと思いましたが、公式サイトでちゃんと対応されているので今回は勘弁してあげました(何様
上位資質の組み合わせを考慮したあなただけの資質解説は、以下のレポートで読めます。
Gallup社の公式サイトでログインしたのち、左上のメニューからCliftonStrengths→レポートでダウンロードページへ。
そうしたら以下のクリフトンストレングス34レポートをダウンロードしてください。

たぶんストレングスファインダーを受けられた方は全員見たことあるとは思いますが、これが自分用にカスタマイズされた内容とはあまり認識してなかったかもしれませんね。私はそうでしたw
たとえば私と奥さんの場合、共に調和性を上位資質に持っていますが、解説は以下のように異なっていました。
あなたは本能的に、状況に応じて、一部の人々と親しく、現実的な会話を交わすかもしれません。あなたは、ある種の人々に対して、同じように社交的にまた反応的に接することは、実益につながると考えているかもしれません。
あなたは本能的に、政治的な事情で状況が不明瞭か、混乱あるいは堕落しているときに客観的な忠告を求めます。時間をたっぷりとってあらゆるアイデアを公平に検討するまで、どのような忠告の採用も控える傾向があります。
こんな感じで、本やネットの解説に加えてあなた独自の資質解釈も知っておくと、自分の心のクセをより正確に理解できます。
下位5資質はあきらめる
次に受け止め方が単純な下位5資質を見ます。
下位資質は、あなたの心にはまったくない当てはまらない要素です。
ぶっちゃけると才能がありません。いさぎよくあきらめましょうw

「人の可能性はぁー!」とかユニコーンガンダムみたいなセリフが出てきそうですが、むしろ心に余裕をつくるための行為と考えてください
かけられる時間も労力も有限。
見込みのない分野は切り捨て、空いたリソースを上位資質へ集中投資しましょう。
私の場合を例にしますと、下位5資質は以下の通り。
- 「毎日これをする」みたいなルール化が得意な『規律性』
- 他人と比べることで自分を高められる『競争性』
- 高い計画性が持てる『慎重さ』
- 他人を動かそうとする『指令性』
- 明るい未来を描いて行動する『未来志向』
たしかに下位資質に関するスキルを過去に身に付けようとしてはことごとく失敗してました。
もうこういう無駄な努力をしなくて済むようになるのはうれしいですね。
以上で情報収集は終わりです。
いよいよストレングスファインダーの真髄、自分の上位資質の活用方法を考えていきます。
【上位資質のコントロール】強みとなる使い方と弱みとなる使い方を自覚しよう

やることは非常にシンプル。上位5資質、または10資質について、自分の強みとして使えている場面と、逆に弱みとして使ってしまっている場面を書き出しましょう。
ここがストレングスファインダーの一番大事で価値ある考え方です。
ストレングスファインダーは、強みと弱みは『上位資質の表と裏の関係』であると言うのです。
つまり「ああ、自分ってこういうとこダメだなあ」と思うところが、実はあなたの最大の強みでもあるのです。
強み使いと弱み使いという考え方
正式には上位資質を強みとして使うことを「バルコニー使い」、弱みとして使うことを「ベースメント(地下室)使い」と呼ぶようです。
しかし島国日本の家屋にはバルコニーも地下室もありませんので、ピンとこないのが正直なところ。
よってここでは普通に「強み使い」と「弱み使い」と書きました。これもなかなか伝わりにくいかも知れませんが、要は自分の資質が自分の望む形で発揮できているかどうかということです。
- 自分の上位資質が発揮されることで、苦しい気持ちになっていませんか?
- 成果にまったくつながらないことに夢中になっていませんか?
- ちゃんと気持ちいい方向、夢や目標に近づく方向に資質を発揮できていますか?
やることはシンプルと書きましたが、実際やってみると弱み使いの場面はちょっと頭をひねらないと想像しにくいです。
そこで私なりに全34資質の強み使いと弱み使いを考えてみました。ご自身の強み使いと弱み使いを見つける際のヒントになれば幸いです。
資質 | 強み使い | 弱み使い |
アレンジ | 複雑で多数の作業を整理する | ルーティン作業を延々と調整し続ける |
運命思考 | あらゆる人間の垣根を超え、支えになろうとする | 指摘すべき欠点まで見て見ぬふりをする |
回復思考 | トラブルの解決 | 自分だけで解決しようとする |
学習欲 | 新たなスキルの習得 | 使い道を考えていない学習に没頭 |
活発性 | 即行動する | 無計画、リスクを考えない |
共感性 | 人の気持ちを察する | 自分の気持ちを二の次にする |
競争性 | 誰かと競い合い大きく成長する | 何にでも勝ち負けを持ち出す |
規律性 | ルール作り、ルーティン化 | ルールを押し付ける |
原点思考 | 過去の経験、学びを活用する | 前例に固執する |
公平性 | 公正な判断を下す、不平を正す | 異なる価値観やハンディキャップの存在を許さない |
個別化 | 個性への尊重と配慮 | 差別、えこひいきする |
コミュニケーション | 人を惹きつけるための説明 | 信用を失うレベルの脚色、詐欺 |
最上志向 | 得意をさらに伸ばす | 自分を低く評価 |
自我 | 自身のブランディング | 自分を上げるために他者の評価を下げようとする |
自己確信 | 周囲に振り回されない意思決定 | 己を過信する |
社交性 | 見知らぬ人との交流 | 八方美人化 |
収集心 | 情報収集 | 物を捨てない |
指令性 | 他者への指示だし | 指示系統を無視する |
慎重さ | 危険予知、計画の実現性評価 | 行動意欲にブレーキ踏みっぱなし |
信念 | 自分の価値観に沿った行動をする | 他者の考えに耳を貸さない |
親密性 | 親交を深める | 過干渉 |
成長促進 | 指導、教育をする | 成長すればなんでもいいと向き不向きを軽視 |
責任感 | 大きな物事でも完遂しようとする | なんでも際限なく引き受ける |
戦略性 | 戦略や計画を立てる | 先が見通せなくて立ち止まる |
達成欲 | 毎日こつこつ積み上げる | 忙しなく動き続けて休むことを忘れる |
着想 | 新たな法則や考え方を見つける | 突飛な考えにとらわれる |
調和性 | 異なる立場の仲を取りもつ | 決着をつけさせない |
適応性 | その場その場で臨機応変に立ち回る | 当初の目的を忘れる |
内省 | 考えを深める | 物事を不必要に複雑化する |
分析思考 | 物事を論理づけて解釈する | 理解できないものは頭から否定する |
包含 | 集団を取りまとめる | 所属する集団以外を敵視 |
ポジティブ | 人を励ます | 悲観論を変えようとして疲れる |
未来志向 | 将来に希望を見出す | 今現在を軽視する |
目標志向 | 目標を立てて行動する | 状況に応じた目標の修正を拒否 |
この他、各資質の強み、弱みの例として下記2つのサイトが参考になります。
ぜひご自身の日常の中で、上位資質が強みとなっている場面、弱みにしてしまっている場面を見つけ出してください。


【友人家族こそ最高のコーチ】まわりに聞いてみよう!
こういった自己の行動分析が苦手な方は、まわりの友人や家族と会話してみましょう。
巷には数万円でコーチングしてくれる人もわんさかいるわけですが、普段のあなたの行動を実際に見ている人が誰よりあなたの強みと弱みを理解しています。
かと言って
「私ってぇ、上位資質に自我と運命思考に調和性があるらしいんだけど……」
などと始めてはいけません。

いきなりパルプンテを唱えないでください!
あくまで普段の会話の中で「あのとき実はこんなこと考えてたんだけどさ、どう思う?」みたいに、思い出話に自身の内面を加えて聞いてみましょう。
相手から「へえ~意外。あんたって〇〇なとこあるよね」とか、「そんなんおまえだけだ!」みたいな反応が得られるはずです。
そうやって、これまで自分にとっては当たり前すぎて気づけなかった心のクセに気づくきっかけになります。
【まとめ】少しずつ行動を変えて、少しずつ自分を理解すればいい
紙に書き出したり、まわりと会話することで
- 「自分の普段のあの行動、弱み使いだったんだ」
- 「あのときは自分の資質を強みとして使えたな」
- 「これは自分の低い資質で無理矢理やってるな」
みたいに、自分の行動に強み、弱み、下位資質(向いてない)のラベルを貼れるイメージができてきたなら、ストレングスファインダーを活用できた証です。
あとは以下の考え方で行動を見直していけば、ご自身の上位資質にどんどん経験値がたまり、やがて強力な強みになっていきます。
- 資質なしの場面を上位資質を使ってできる方法はないか考える
- 弱み使いと強み使いは同じ資質の表裏だと意識する
- 弱み使いと感じたら、その場面を避ける or 強み使いへの切り替えチャンスととらえる
- 強み使いの場面はどんどん増やす
結局のところ、人生って自分以外に賭けるものなんてありません。
ここは1つ、自分の才能はこれだ! と信じて、自己投資への一歩を踏み出してみませんか?
本当に強みとなったなら儲けもの。失敗したって弱くなることはないのですから。ではでは。
