FIREしたいと思い立った時、最初に気になるのが資産いくらあったら自分はFIREできそうか? ではないでしょうか。
私は40歳で1億円を貯めてFIREしたのですが、その経験からわかったことは、金額は答えにならないということでした。
どうしてそんな答えになったのか。この記事では、実際にFIREした人間の心境から考えだした「本当にFIREに必要なもの」についてお話しします。
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「お金が足りないからFIREできない」は勘違い
多くの人が「もう少しお金があればFIREできるのに……」と考えがちです。しかしこれは根本的に勘違いだと私は思います。
なぜなら、FIREできない本当の理由は資産額の不足ではなく、お金に対する不安そのものにあるからです。
「1億円あれば安心」にならはかった私の現実
「1億円貯めればFIREできる」と信じて走り続け、実際にFIREした私ですが、実際に1億円を達成した今でも「FIREしてよかったのか」「本当にこのまま再就職せず暮らし続けられるだろうか」と悩み続けています。
そのとき気づいたんです。FIREをためらわせたり、後悔させているのは資産の大小ではなく不安の大小なんだと。
「いくらあれば安心?」に答えが出ない理由
なぜ1億円あっても不安は消えないのか? それは結局、資産には「自分でコントロールできない要因」があるからだと思い至りました。どれだけ余剰資金を持っていても、物価上昇や投資資産の評価額変動など、コントロールできないものに依存している限り、不安は消えません。
仮に2億円あっても「もし大暴落したら?」と心配になり、3億円あっても「インフレが進んだら?」と不安になる。つまり金額で安心を買おうとするアプローチには、根本的な限界があるのです。
本当にFIREに必要なもの
FIREの条件が資産を大きくすることではなく、不安を最小化すること。資産を増やしても、下げれる不安の大きさには限界がある(基本なくならない)
そこから見えてきた、FIREのために本当に必要なもの。
それは「働かなくても自分ならなんとかなるだろう」と思える自信です。金額の大きさではなく、どんな状況でも自分で道を切り開けるという確信なのです。
FIREできない「不安」を具体化すると
お金の不安、FIREへの不安をもっと具体的に表してみたいと思います。
私の考える、FIREするにあたって感じるお金の不安は2つ。
1つは「お金が無くなってしまうかもしれない不安」、もう1つは「お金が無くなったとき、収入源がなくなってしまう不安」です。
FIREしたいなら、これら不安をなるべく小さくしてあげればいいのです。
お金がなくなる恐怖
「貯めた資産が底をついてしまったらどうしよう」という恐怖は、FIRE検討者なら誰もが感じる不安でしょう。
この恐怖が生まれる根本原因は、自分の支出をコントロールできていない感覚にあります。月々の支出が把握できていない、または予想外の出費に対応できない状況では、どれだけ資産があっても「いつかなくなるのでは」という不安から逃れられません。
だから資産額を増やすだけでは、この恐怖は解消されないのです。
収入源を失ったとき「打つ手がない」絶望感
お金がなくなることも恐ろしいですが、FIRE独自の恐怖として、お金を稼ぐ手段がない。この「打つ手がない」という自ら人生詰みにいってる感こそが、多くの人をFIREから遠ざけている真の障壁ではないでしょうか。
FIREを阻む「不安」を打ち消す方法
ここからは、FIREにまつわる2つの不安への対処法について説明していきます。
早速結論。その対処法とは「支出をコントロールする力」と「お金を生み出す力」を身につけることです。
この2つの力があれば、どんな状況でも「なんとかなる」と思えるようになります。これこそが、FIREに必要な真の資産なのです。
【支出コントロール力】でお金がなくなる日を自分で決める
お金が無くなるかもしれない不安を抑えるには、支出の把握と調整ができるようになることです。
自分の月の支出がわかっていれば、今の資産があとどれくらいで尽きるのかが計算できるようになります。さらに支出を自分の考えで抑えることができれば、資産が尽きる日を先延ばしすることも可能です。
【会社以外で稼いだ経験】が、なんとかなる精神を育む
お金が無くなった時の「打つ手がない」不安については、会社員以外でお金を稼ぐ経験を積むことで対処できます。
意外に会社員以外でお金を稼ぐ手段は多いものです。私の経験で言えば、クラウドワークスで動画編集やSNSツールの設定などを請け負い、月5万円以上の収入を得ています。他にも電子書籍を作ったり、Youtubeをやってみたり……。
小額ですが「これくらいやれば、自分はこれくらい稼げるんだ」と、おおよその見込みが立つようになれば、いざ資産が尽きそうになった時も袋小路に陥ることなく、お金を稼ぐための行動に出ることができます。
お金はなくなるが、「根拠ある自信」はなくならない
こうした個人で稼いだ経験が、会社員でなくなったあと「自分なら何とかできるだろう」という自信を育みます。
株式などの金融で築いた資産は、市場の変動で簡単に減りますが、経験や知識に裏打ちされた自信はそう簡単になくなりません。
支出をコントロールできるスキルと、個人で稼いだ経験があれば、どんな状況でも道を切り開けるという確信が持てます。この根拠ある自信こそが、FIREするための真の資産なのです。
FIRE成功のために今日からやるべきこと
まとめます。
FIREしたい! と思ったらやるべきことは、まず自分の中のFIREに対する不安が何か、具体的に理解することです。
漠然とした「お金が心配」ではなく、「支出が把握できていない不安」「会社員以外で稼いだ経験がない不安」といった具体的な不安に分解してみましょう。
次にその不安に対して、お金を貯める・資産を増やす以外の対処方法を探ること。できれば知識やスキル、経験のように、自分の肌身から離れず、簡単には失わないものを身につけるのがおすすめです。